2013/08/01

研ぎ加減、浸漬の具合はコメを見て判断するのが王道かと

ときどき、業務店のお客様のところで炊飯について聞かれたり、話をしたりする機会があります。食堂のパートさんなどに炊飯の説明をしてほしいといわれることもあります。

炊飯てものは、炊飯器に入れてしまえばほとんどブラックボックス。具合を見ながら火加減を調整したり、時間を調整したりが出来ません。
とはいえ、その炊飯器に入れる前の段階をしっかりとするだけでも炊飯の出来は大きく変わります。具体的には「研ぎ」と「浸漬」です。

パートのおばさんなどに説明するとき、よく訊ねられるのが「何回研げばいいのか?」、「何回すすげばいいのか?」、「何分浸漬すればいいのか?」など。何回とか何分とか具体的で分かりやすい答えを要求されるのです。
とはいえ、コメの状態、気温、水温など一定であるわけがなく、質問者が求めるような分かりやすく都合のいい答えは出来ません。「あくまでもコメ自体を見て判断してください。充分なだけ研いで、充分なだけ浸漬してください」と答えるしかありません。

実際、ネットでも書籍でも何回研いだらいいとか、浸漬も夏場は何分、冬場は何分などと簡単な言い方がされている場合が多いようですが、それではちょっと乱暴な感じがしていました。コメを見て判断できるようなアドバイスが必要です。

例えば、研ぎ加減なら、研いでるコメを握ってみて、そのばらけ具合が目安になります。浸漬の具合なら、浸漬米をつぶしてみてその砕け方が目安になるでしょう。その上で、「何分浸漬すれば大概は充分でしょう」など付けくわえることはありますが。
浸漬にかかる時間はコメの状態や水温に大きく影響されますので、季節の変わり目にどれくらいの時間をみておく必要があるか再度確認するとよいでしょう。

しかし、パートのおばさんらは「何回」とか「何分」といった数字を求めたがるのです。
どうも、失敗したときに「私は決められた通りにやりましたよ!」と言えるからのようです。自分で判断するという負担を嫌っているな、というのは見ていてわかります。言われた通りのことだけやっていたい、自分で考えたり判断したりするのはゴメンだ、という雰囲気です。


でも、それでは美味いご飯は炊けないのです。


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