炊飯でなにが重要かって、やっぱり浸漬だと思います。
研いだ後、炊飯開始までしっかりと水に漬けて吸水させる行為。「浸す」と書いて「かす」と読んだりもします。最近つくづく、この工程を軽んじている人が多いと感じてます。
イマドキの炊飯器は炊きあがり後の蒸らし時間までプログラムに入っているのが普通ですから、浸漬させる工程が余計に面倒くささく見えるのかもしれません。無洗米なら、なおのこと、水加減してスイッチ入れるだけのお手軽さが当前だろ?と考える傾向にあるのかもしれません。
ただ、美味しく炊飯しようと思うなら、ここは端折ってはならない部分でしょう。デンプンが糊化するには水分と熱が必要ですが、米粒の中心まで水が浸透するのに充分な浸漬時間がないと、中心部が糊化しきれない芯のあるご飯となります。
また、このようなご飯は短時間で硬化しがちです。「冷めてもおいしいご飯」には、コメ自身の品質だけではなく、きちんとした炊飯も必要というわけです。いやむしろ、充分な浸漬が出来ているかどうかの方が影響大かな、と思ってます。
で、どれくらいの時間、浸漬が必要なのか。
よくいわれるのが、「冬場2時間、夏場1時間」。人によっては「冬場1時間、夏場30分」。でも、私の考えは、「夏場でも2時間浸漬したものは美味さが違う」です。
芯まで吸水させるという観点からは、夏場でも30分では短いと思います。じゃあ、なんで夏場の浸漬は短時間でいいと言われ続けているのか?安全上、衛生上の観点からみれば、夏場にコメが漬けられた栄養たっぷりの水は簡単に腐敗してしまいます。長時間の浸漬はそういう危険があるのです。炊飯から変な臭いがしたり、黄色ないしは茶色っぽかったりするのは、何らかの菌が繁殖していると考えられます(余談ですが、炊飯器の内蓋の裏や蓋の蒸気が抜ける部分も毎回清潔にしましょう!)。
じゃあ、夏場はきちんと浸漬した美味いご飯は諦めるしかないのか?対策としては、冷蔵庫に入れて浸漬させるということになります(冷蔵庫を使ったからといっても絶対な安全はありません、夏場は腐敗のリスクが高いので五感を活用してご注意ください。)。
で、浸漬が完了したら、ざるで水をきって、一度かるく流水ですすいでから水加減して炊飯開始すれば理想でしょう。
まあ、確かに面倒くさい。パンは買ってくればすぐに食べられるし、パスタなども熱湯に入れてから長くても十数分間茹でればOK。それに比べて、何時間も前から準備に取り組まないといけない。コメの消費増を願う米屋からすると、あまり口にしたくない不都合な真実ではあります。ではありますが、この手間をかけるか否かで世界が違うのは確かです。
しかし実際、営業として飲食を提供しているところでも浸漬は軽視されているんです。
先日、取引先でライスを食べたところなんか口当たりが悪い。調理現場のパートの方に浸漬はどれくらいしてるのか聞いてみたら、「うーん、10分くらいかな?」とのこと。「それじゃあ短すぎる、せめて1時間!」と言ったのですが、内部の事情がいろいろあるみたいで改善は難しそう・・・。ここは営業開始してから、たぶん15年近く経つと思うのですが、その間ずっとこのやり方でやってきた様子。
いや、実にもったいないと思うんですが。
2014/08/04
2013/10/17
イオン・三瀧商事偽装事件であれこれ考える
イオングループで販売された弁当などで、「国産米」の表示に関わらず中国産米が使用されていた事件。
量の多さや期間の長さだけでなく、こんな時代錯誤で幼稚でふてぶてしい不正がイオンのような全国的に名の知られた場所で行われていたという点にも驚愕します。
その後、三瀧商事は加工用米を主食用へ転用していたこと、業務用納品だけでなく小売店で販売される袋詰精米商品にも混入していたこと、取引先や関連会社などに偽装の協力をさせていたことなどが報じられました。
三瀧商事の偽装は2005年から行われていたとのこと。それから今に至るまでの間、2008年に三笠フーズの事故米不正転売が発覚し、2010年から米トレーサビリティ法が施行されているのにです。
さらに、この事件に関連した記事「『中国猛毒米』偽装 イオンの大罪を暴く」が掲載された週刊文春2013年10/17号
がイオン系列の売り場から撤去される、なんてことも。
朝日新聞デジタル:イオン、週刊文春を撤去 偽装米問題で「誤解与える」 - 社会
この事件、そしてこれをめぐる報道やネット上の意見をみていると、つぎつぎとコメの世界が抱える問題が浮かんできます。
まあ、なんと2005年から不正をしていたとのことで震災以降の高騰とは関係はなさそうです。が、それでも当時の相場からしておかしくない価格だったのか?
コメの価格というのは国内産でマトモな品物なら、ずば抜けて安いものなんてあり得ません。けっこう出来の悪い酷いコメでも、そこそこの値段します。理由もなく安いモノなんてない。これはJAグループの力ですね。逆にいいコメでも、メチャクチャな価格差があるわけじゃない。
もし、あるラインを越えて安く仕入れたいなら、かつ国内産という条件をはずさないなら、くず米・砕米・未熟粒等の混入を我慢するか、あるいはスーパーでの売れ残りや返品されたもの、精米から時間が経ったものを受け入れるか。いわゆる「捨て場」になるということ。
低価格でなおかつ、品質はおにぎりに使用できる程度にそこそこで、というのであれば外国産とならざるを得ないでしょう。
品質がよくて、安くて、国内産というのは無いものねだりというものです。どこかで無理をすれば道理が引っ込むことになる。
ある程度の規模でやってる企業のバイヤーならそんなこと知らないはずはないし、もし本当に知らなかったとしたらそれも問題でしょう。
まあ、今回の事件での納入価格や要求されていた品質について、具体的で確たる情報がないので、この点については何とも言えません。ただ、スーパーや食品工場からの要求には、価格に限らず無茶が多いことはよく耳にします。配送や搗精の時間を考えれば物理的に無理な精米日を指定されたり、店内でネズミに齧られた商品を返品してきたり。このあたりの事情を掘り下げ公にしないと、この手の事件は無くならないでしょう。
ちなみに、週刊文春10月17日号の記事には米流通業者の発言としてこんなことが書かれています。
PB商品については販売者が100%品質に責任を持つからメーカー名は記載しないという見識については、これはありだと思います。
それが嫌な人、つまりメーカーや製造された国や地域がわからないのは嫌だという人は記載のない商品を買わなければいいのですから、記載しないことを批判するのは筋違いだと思います。
ただ、
「イオンのお米は、独自の抜き取り検査で検査済み」
というのはどういう内容の検査なんでしょうかね。
まあ、「安全」とか「安心」を安易に軽々しく売り口上にする輩は大抵が胡散臭いというのが相場ではありますが。
そして今回、自らも被害者であるようなコメントを出していたのにはゲンナリしました。
もうひとつ気になるのが、イオンのプレスリリースが出たのが9月25日、その後ツイッターなどでちらほら話題になっていたのですが、マスコミが本格的に取り上げるまでに数日間のタイムラグがあったこと。現時点でも、規模からしてもっと騒がれてもおかしくない事件なのですが。
誤解する人もいるのですが、加工用というのは菓子など加工食品の原料用という意味であって、肥料や工業製品の原料用ということではありません。食品としての安全性が問題なのではありません。
何が問題かといえば、カネです。加工用米というのは、その作付けについては加工用途に限定して出荷すると生産者が申請することで10aあたり2万円の補助金を受けたものです。その補助金を原資としてダンピングすることで、小麦粉やその他海外からの原料に対する競争力をもたせ消費量を増やそうということです。あくまで加工用として補助金が出されたものを転用し、低価格の恩恵を不正に享受しようとするのですから、これは消費者に対する罪というより、納税者に対する罪です。
勘違いした人もときどきいますが、未検査米を販売したり、食材として使用することになんの問題もありません。ただ、一般消費者向けに品種や産年を記載して販売することは出来ないというだけです(以前は原産国以上の詳細な産地も記載出来なかったのですが、米トレサ法との関係で逆に積極的に記載が求められるようにすらなりました。この辺りのその場しのぎにつぎはぎしたルールがこの業界を複雑でわかりにくいものにしています。浅はかな理解に基づいて思いつきでモノを言うような人たちの声が大きいのも問題でしょう。)。
未検査米には、生産者が品質に自信があり銘柄に頼る必要がなかったり、JA以外に充分な量の直接取引先があったり、業務用需要と結び付いていてJAS表示の必要がなく、わざわざ検査受ける意味がないというポジティブなケースと、JAに出せないくらいの粗悪なものだったり、無知な消費者からぼったくるだけの生産者直売だったりの質の悪いケースとがあり、未検査米という括りだけで内容を判断することはできません。
2005年以降ずっと中国産・米国産米を使用していたが、トレサ法以前は伝票での産地伝達義務も、おにぎりや弁当に原産国を表示する義務もなかったので措置の対象外、ということでしょうか。
トレサ法施行以前、イオンや炊飯業者は原料米の産地など内容についてどう認識していたのか?トレサ法の前後で取引条件等は同じだったのか?なども知りたいところです。
そもそも、SBS米(中国米・米国米)を精米として販売したり、おにぎり、弁当に使用したり、飲食店で提供すること、それ自体はなんら罪ではありません。「この単価でそこそこの品質を要求するならば中国米しかない!」旨をキチンと伝えて、そう表示して納入するべきなのです。
問題なのは、堂々と原産国名を表示せずに、国内産であると小狡く嘘をついていたことです。
しかし、あくまで三瀧商事の罪は、虚偽の表示をしたこと、加工用米転用により結果として補助金を不正に利得し食糧たるコメの需給安定を妨害した点にあります。
たしかに中国産農産物の重金属汚染や農薬のずさんな使用は伝え聞くところですし、実際有害であることが発覚した例もあります。しかし、だからといって今回使用されたコメが有毒であったという事実があったのか?
当然に、中国の生産現場に関する伝聞や過去の事件からリスクを避けたいという消費者の意思は尊重されなければなりません。現にこのような事件を起こした企業、下請けの偽装を見抜けなかった企業がいくら安全を請け負っても信用しにくいのは確かです。また、偏見や思想・信条に起因するものであっても特定の原産国のものを買いたくない、食べたくないという意思は同様に尊重されるべきです。それを、虚偽表示で蔑ろにすることは許されない行為です。
が、今回の事件を中国産を使ったからダメだ、安全や健康を脅かされたという風にしては問題がわかりにくくなります。さらに食品は国産だったら即ち安全だという安易な雰囲気を助長しかねません。
ある程度の価格を割り込んでくると、やはり外国産米の方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。国内産ならば、中米、くず米、端米、売れ残り処分品などの価格帯でも外国産ならまともな整粒だったり。
また、加工用と言ってもあくまで制度上の区分で、必ずしもモノが違うわけではない。もちろん加工用として適性がすぐれた品種が作付けされる場合も多いでしょうが、主食用に一般的に使われる品種でも加工用として申請、作付けされれば加工用。税金から補助金つけてダンピングの原資にして加工用原料の国産シェアを上げましょうという発想のもの。
コメ業界以外では一般的な議論に上がりにくい問題ですが、根深い問題です。
その後、三瀧商事は加工用米を主食用へ転用していたこと、業務用納品だけでなく小売店で販売される袋詰精米商品にも混入していたこと、取引先や関連会社などに偽装の協力をさせていたことなどが報じられました。
三瀧商事の偽装は2005年から行われていたとのこと。それから今に至るまでの間、2008年に三笠フーズの事故米不正転売が発覚し、2010年から米トレーサビリティ法が施行されているのにです。
さらに、この事件に関連した記事「『中国猛毒米』偽装 イオンの大罪を暴く」が掲載された週刊文春2013年10/17号
朝日新聞デジタル:イオン、週刊文春を撤去 偽装米問題で「誤解与える」 - 社会
この事件、そしてこれをめぐる報道やネット上の意見をみていると、つぎつぎとコメの世界が抱える問題が浮かんできます。
納入価格など
さて、当初このニュースを知った時、まず思ったのは「果たして納入価格はいくらだったのだろう?」ということです。まあ、なんと2005年から不正をしていたとのことで震災以降の高騰とは関係はなさそうです。が、それでも当時の相場からしておかしくない価格だったのか?
コメの価格というのは国内産でマトモな品物なら、ずば抜けて安いものなんてあり得ません。けっこう出来の悪い酷いコメでも、そこそこの値段します。理由もなく安いモノなんてない。これはJAグループの力ですね。逆にいいコメでも、メチャクチャな価格差があるわけじゃない。
もし、あるラインを越えて安く仕入れたいなら、かつ国内産という条件をはずさないなら、くず米・砕米・未熟粒等の混入を我慢するか、あるいはスーパーでの売れ残りや返品されたもの、精米から時間が経ったものを受け入れるか。いわゆる「捨て場」になるということ。
低価格でなおかつ、品質はおにぎりに使用できる程度にそこそこで、というのであれば外国産とならざるを得ないでしょう。
品質がよくて、安くて、国内産というのは無いものねだりというものです。どこかで無理をすれば道理が引っ込むことになる。
ある程度の規模でやってる企業のバイヤーならそんなこと知らないはずはないし、もし本当に知らなかったとしたらそれも問題でしょう。
まあ、今回の事件での納入価格や要求されていた品質について、具体的で確たる情報がないので、この点については何とも言えません。ただ、スーパーや食品工場からの要求には、価格に限らず無茶が多いことはよく耳にします。配送や搗精の時間を考えれば物理的に無理な精米日を指定されたり、店内でネズミに齧られた商品を返品してきたり。このあたりの事情を掘り下げ公にしないと、この手の事件は無くならないでしょう。
ちなみに、週刊文春10月17日号の記事には米流通業者の発言としてこんなことが書かれています。
「通常、コシヒカリの新米は一キロ三百円ほどの卸値で取引されます。しかし、イオンは『一キロあたり二百円のコシヒカリを持ってこい』というような要求を平気で言う。キロ二百円台のコシヒカリなど、あり得ません。精米や物流にかかるコストを計算すると、そんな値段で入れられるはずがない。だから、我々はイオンの求める値段では不可能とすぐ分かる。
・・・」(週刊文春10月17日号36ページ)
販売店の責任
イオン「品質について100%責任を持ちます」トップバリュー弁当の国産米表示 → 中国産米の混入が発覚 - NAVER まとめPB商品については販売者が100%品質に責任を持つからメーカー名は記載しないという見識については、これはありだと思います。
それが嫌な人、つまりメーカーや製造された国や地域がわからないのは嫌だという人は記載のない商品を買わなければいいのですから、記載しないことを批判するのは筋違いだと思います。
ただ、
「イオンのお米は、独自の抜き取り検査で検査済み」
というのはどういう内容の検査なんでしょうかね。
まあ、「安全」とか「安心」を安易に軽々しく売り口上にする輩は大抵が胡散臭いというのが相場ではありますが。
そして今回、自らも被害者であるようなコメントを出していたのにはゲンナリしました。
もうひとつ気になるのが、イオンのプレスリリースが出たのが9月25日、その後ツイッターなどでちらほら話題になっていたのですが、マスコミが本格的に取り上げるまでに数日間のタイムラグがあったこと。現時点でも、規模からしてもっと騒がれてもおかしくない事件なのですが。
加工用
原産国の偽装だけでなく、加工用の転用もあったようです。誤解する人もいるのですが、加工用というのは菓子など加工食品の原料用という意味であって、肥料や工業製品の原料用ということではありません。食品としての安全性が問題なのではありません。
何が問題かといえば、カネです。加工用米というのは、その作付けについては加工用途に限定して出荷すると生産者が申請することで10aあたり2万円の補助金を受けたものです。その補助金を原資としてダンピングすることで、小麦粉やその他海外からの原料に対する競争力をもたせ消費量を増やそうということです。あくまで加工用として補助金が出されたものを転用し、低価格の恩恵を不正に享受しようとするのですから、これは消費者に対する罪というより、納税者に対する罪です。
未検査米
未検査米というのは農産物検査を受けていないコメというだけのことです。そもそも農産物検査は、放射性物質の検査でもなければ、残留農薬の検査でも、重金属の検査でもありません。産地、品種、産年、等級を確認するだけのもので、食品としての安全性をみる検査ではありません。勘違いした人もときどきいますが、未検査米を販売したり、食材として使用することになんの問題もありません。ただ、一般消費者向けに品種や産年を記載して販売することは出来ないというだけです(以前は原産国以上の詳細な産地も記載出来なかったのですが、米トレサ法との関係で逆に積極的に記載が求められるようにすらなりました。この辺りのその場しのぎにつぎはぎしたルールがこの業界を複雑でわかりにくいものにしています。浅はかな理解に基づいて思いつきでモノを言うような人たちの声が大きいのも問題でしょう。)。
未検査米には、生産者が品質に自信があり銘柄に頼る必要がなかったり、JA以外に充分な量の直接取引先があったり、業務用需要と結び付いていてJAS表示の必要がなく、わざわざ検査受ける意味がないというポジティブなケースと、JAに出せないくらいの粗悪なものだったり、無知な消費者からぼったくるだけの生産者直売だったりの質の悪いケースとがあり、未検査米という括りだけで内容を判断することはできません。
米トレサ法
報道では2010年に米トレサ法が施行される以前の2005年からこのようなことは継続されていたそうです。しかし農水省のプレスリリースでは平成22年(2010年)10月以降の販売分が偽装であったとなっています。2005年以降ずっと中国産・米国産米を使用していたが、トレサ法以前は伝票での産地伝達義務も、おにぎりや弁当に原産国を表示する義務もなかったので措置の対象外、ということでしょうか。
トレサ法施行以前、イオンや炊飯業者は原料米の産地など内容についてどう認識していたのか?トレサ法の前後で取引条件等は同じだったのか?なども知りたいところです。
そもそも、SBS米(中国米・米国米)を精米として販売したり、おにぎり、弁当に使用したり、飲食店で提供すること、それ自体はなんら罪ではありません。「この単価でそこそこの品質を要求するならば中国米しかない!」旨をキチンと伝えて、そう表示して納入するべきなのです。
問題なのは、堂々と原産国名を表示せずに、国内産であると小狡く嘘をついていたことです。
安全とは?中国だからだめなのか?
ところで、今回ネットなどで目についたのは、「中国産の毒米を食べさせられた!」という発言。イオンが棚からはずした週刊文春の記事も「中国猛毒米偽装」とタイトルされたものでした。しかし、あくまで三瀧商事の罪は、虚偽の表示をしたこと、加工用米転用により結果として補助金を不正に利得し食糧たるコメの需給安定を妨害した点にあります。
たしかに中国産農産物の重金属汚染や農薬のずさんな使用は伝え聞くところですし、実際有害であることが発覚した例もあります。しかし、だからといって今回使用されたコメが有毒であったという事実があったのか?
当然に、中国の生産現場に関する伝聞や過去の事件からリスクを避けたいという消費者の意思は尊重されなければなりません。現にこのような事件を起こした企業、下請けの偽装を見抜けなかった企業がいくら安全を請け負っても信用しにくいのは確かです。また、偏見や思想・信条に起因するものであっても特定の原産国のものを買いたくない、食べたくないという意思は同様に尊重されるべきです。それを、虚偽表示で蔑ろにすることは許されない行為です。
が、今回の事件を中国産を使ったからダメだ、安全や健康を脅かされたという風にしては問題がわかりにくくなります。さらに食品は国産だったら即ち安全だという安易な雰囲気を助長しかねません。
内外価格差と一物多価
国内産米と外国産米の価格差。主食用米と加工用米の価格差。そもそもこの価格差があるからこんな悪事を働く者が出る。ある程度の価格を割り込んでくると、やはり外国産米の方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。国内産ならば、中米、くず米、端米、売れ残り処分品などの価格帯でも外国産ならまともな整粒だったり。
また、加工用と言ってもあくまで制度上の区分で、必ずしもモノが違うわけではない。もちろん加工用として適性がすぐれた品種が作付けされる場合も多いでしょうが、主食用に一般的に使われる品種でも加工用として申請、作付けされれば加工用。税金から補助金つけてダンピングの原資にして加工用原料の国産シェアを上げましょうという発想のもの。
コメ業界以外では一般的な議論に上がりにくい問題ですが、根深い問題です。
需給のミスマッチ
三瀧商事幹部が「イオンに指定された国産米が足りずに中国産を使った」と語ったという報道について、ネットの掲示板などでは「国産米はあまってるのに」といった反応もみられました。幹部発言はいうまでもなく「イオンに指定された内容と価格の国産米が足りない(あるいは存在しない)」という意味でしょう。
なぜコメ農家は需要側の要求を無視した生産を続けていられるのか、という点も考えてみると面白そうです。
なぜコメ農家は需要側の要求を無視した生産を続けていられるのか、という点も考えてみると面白そうです。
2013/06/10
コメにつく虫
以前、知人から聞かれました。
「コメに虫がつくのは、それこそが無農薬の証拠だって言われたけど本当か?」
もちろん、そんな訳ありません。農薬を使ってようがいまいが、保管次第で虫はつきます。というか、今どき虫がつかない位に農薬が残留しているコメなど普通ないでしょう。
この知人は、農家から新米ということで買ったコメから糸で綴ったような虫の巣を見つけたため、本当に新米かと訝しんで確認したところ、上のようなことを言われたそうです。
確かに、収穫時期から見て虫が巣を綴るには早いかなと思えるタイミングでしたが、新米だというのは多分嘘ではない。想像するに、単にこの農家のタンクの清掃が行き届いてなかったのでしょう。隅に去年のコメと虫の巣が残っていた、それが今年のコメと一緒になって出てきたのだと思います。
一方、別の話になりますが、先日同業者との立ち話から。
この業者は、とある病院の厨房にコメを納品しています。ある日、「虫が出たすぐに来てくれ」と電話で呼び出しがあり、片道1時間かけて駆け付けたとのこと。行ってみると、ハイザーの中にコクゾウムシが一匹いたそうです。どこで入ったのか、納品時に既に袋の中にいたのかどうかは不明でしたが、とにかくその分のコメを交換して帰ったそうです。
まあ、ほっとけばコメには虫がついてしまうのです。どんなに厳重に防除しても絶対にゼロとは言い切れません。連中はちょっとした隙にでも入り込んで、卵を産みつけます。すでに農家から出荷される米粒の中に穴をあけて潜んでいることもあります。とくにこの季節は活動も活発になります。
最近TVで米びつ用の防虫剤のCMも見かけます。天然成分使用とのことですが、それを言うなら虫そのものや虫の排泄物も天然成分だったリするわけで・・・。
お勧めできる方法は、愚直に物理的に防ぐということです。
ところで、昔々の時代にはコクゾウムシもタンパク源として一緒に食べていたなんて説もあります。コクゾウ、メイガの幼虫、コクヌストモドキなどのコメにつくムシは食べても害はないという人もいます。が、それは害があるということが示されてないというだけで、安全だと言い切れるものでもありません。なにより、気持ち悪いですから・・・。
まあ、消費者の方はあまり気にしすぎるのもどうかと思いますが、一方、商品として販売する側は流通業者、農家の別なく覚悟して闘い続けなければならない問題です。
ちなみにどんな虫がコメにつくのか、下記リンク先がわかりやすいです。
食品総合研究所:食品害虫サイト
「コメに虫がつくのは、それこそが無農薬の証拠だって言われたけど本当か?」
もちろん、そんな訳ありません。農薬を使ってようがいまいが、保管次第で虫はつきます。というか、今どき虫がつかない位に農薬が残留しているコメなど普通ないでしょう。
この知人は、農家から新米ということで買ったコメから糸で綴ったような虫の巣を見つけたため、本当に新米かと訝しんで確認したところ、上のようなことを言われたそうです。
確かに、収穫時期から見て虫が巣を綴るには早いかなと思えるタイミングでしたが、新米だというのは多分嘘ではない。想像するに、単にこの農家のタンクの清掃が行き届いてなかったのでしょう。隅に去年のコメと虫の巣が残っていた、それが今年のコメと一緒になって出てきたのだと思います。
一方、別の話になりますが、先日同業者との立ち話から。
この業者は、とある病院の厨房にコメを納品しています。ある日、「虫が出たすぐに来てくれ」と電話で呼び出しがあり、片道1時間かけて駆け付けたとのこと。行ってみると、ハイザーの中にコクゾウムシが一匹いたそうです。どこで入ったのか、納品時に既に袋の中にいたのかどうかは不明でしたが、とにかくその分のコメを交換して帰ったそうです。
まあ、ほっとけばコメには虫がついてしまうのです。どんなに厳重に防除しても絶対にゼロとは言い切れません。連中はちょっとした隙にでも入り込んで、卵を産みつけます。すでに農家から出荷される米粒の中に穴をあけて潜んでいることもあります。とくにこの季節は活動も活発になります。
最近TVで米びつ用の防虫剤のCMも見かけます。天然成分使用とのことですが、それを言うなら虫そのものや虫の排泄物も天然成分だったリするわけで・・・。
お勧めできる方法は、愚直に物理的に防ぐということです。
- 米びつやハイザーは定期的に空っぽにして隅々を拭き取る。特にハイザーでは部品の裏側に巣を作られることがあり、ひどい場合は分解しての清掃が必要になる。
- なるべくなら、コメは密閉できる容器に入れて虫の侵入を防ぐ。
- コメや粉、麺をこぼしたままにしておかない。
- コメは1カ月程度のうちに食べきれる量で購入する。
- 米びつだけでなく、周辺も清潔に。
- 隙間を好むので、丁寧にチェックすること。
ところで、昔々の時代にはコクゾウムシもタンパク源として一緒に食べていたなんて説もあります。コクゾウ、メイガの幼虫、コクヌストモドキなどのコメにつくムシは食べても害はないという人もいます。が、それは害があるということが示されてないというだけで、安全だと言い切れるものでもありません。なにより、気持ち悪いですから・・・。
まあ、消費者の方はあまり気にしすぎるのもどうかと思いますが、一方、商品として販売する側は流通業者、農家の別なく覚悟して闘い続けなければならない問題です。
ちなみにどんな虫がコメにつくのか、下記リンク先がわかりやすいです。
食品総合研究所:食品害虫サイト
2012/03/05
米ヌカの産地情報伝達とコイン精米所
精米すると、重量にして玄米の1割ほどの米ヌカが発生します。容量でみると、かさ張るので2割くらいになります。
米屋にとっての米ヌカは廃棄物というよりも副産物という位置づけになるのですが、引取価格はかなり安く保管の場所代にもならなくらい。それでも処分しなければ溜まるばかりだし、廃棄物として処分する手間やコストを考えれば、取りに来てもらえるならマァいいか、という感じです。
発生した米ヌカは、主に米油の原料や堆肥、飼料に使われます。 また、少量でしたらヌカ床に使ったり、これからのシーズンは筍を調理するときにも使われます。あとは、石鹸に添加したり、美容パックとして利用したり、ヌカ袋に入れて清掃に利用したり、などなど。
胚乳部分よりも油分やミネラル、ビタミンなど微量栄養素に富み、原料価格も安いのが魅力でしょうか。
反面、栄養分に富んでいるうえに細かい粉末になっているため、酸化しやすく、腐敗したり虫がつきやすい厄介な部分もあります。また、人間に有益な栄養素だけでなく残留農薬やカドミウム等の重金属もヌカ部分に多く溜まります。そして放射性セシウムも同様です。
昨年末、農林水産省から「平成23年産米に由来する米ぬか等の取扱いについて」が発表されました。
要点は、
先日、同業者と集まる機会がありました。そのときにちょっと話題になったのが、コイン精米機でのヌカです。
コイン精米所には不特定の利用者により30kgとか60kgの小ロットで多様な玄米が持ち込まれるのですが、そこでどんな玄米が持ち込まれているのかは把握されていません。さきに書きましたように米ヌカの引取価格は安く、加えて回収するごとに内容が異なる。とてもじゃありませんが回収毎に検査機関に測定してもらうのは非現実的な話でしょう。
ならば、コイン精米機のヌカはただの廃棄物として処分されるのか?
農林水産省は通知で、つぎのように指導しています。
昨年の玄米の調査のとき40Bq/kg以上が見られた地域は、福島県を除くと茨城県鉾田市、北茨城市、栃木県日光市、群馬県安中市、渋川市、千葉県市川市くらいですね。
では、それ以外のヌカは原発事故以前と同様にフリーパスということなんでしょうか。
しかしこれは、コイン精米機で精米される米は、その地元の米ばかりだという想定を前提としているわけですよね。
原発事故の影響もあり首都圏でコイン精米機の利用が増えていることが、業界紙で報じられています(商経アドバイス2月27日号)。今、国内のコイン精米機から発生するヌカは、かなりの量にのぼることでしょう。
東京都や神奈川県などにあるコイン精米機には、それら都県のコメ生産量と消費量のバランスから考えても、持ち込まれる玄米の大部分は他県産だと思われます。
もちろん、完璧な制度というものが存在するとは思いませんが、どこか納得いかない、釈然としない。この辺の詰めの甘さが、残念に思えます。あるいは、いろんな方面への影響を考えた結果、中途半端になったのか。
いくら一部では情報伝達をきちんとしても、こういう大きなところに穴があると思うと、なにか虚しさを感じます。
コメ行政に関しては、ありがちな虚しさなんですが。
米屋にとっての米ヌカは廃棄物というよりも副産物という位置づけになるのですが、引取価格はかなり安く保管の場所代にもならなくらい。それでも処分しなければ溜まるばかりだし、廃棄物として処分する手間やコストを考えれば、取りに来てもらえるならマァいいか、という感じです。
発生した米ヌカは、主に米油の原料や堆肥、飼料に使われます。 また、少量でしたらヌカ床に使ったり、これからのシーズンは筍を調理するときにも使われます。あとは、石鹸に添加したり、美容パックとして利用したり、ヌカ袋に入れて清掃に利用したり、などなど。
胚乳部分よりも油分やミネラル、ビタミンなど微量栄養素に富み、原料価格も安いのが魅力でしょうか。
反面、栄養分に富んでいるうえに細かい粉末になっているため、酸化しやすく、腐敗したり虫がつきやすい厄介な部分もあります。また、人間に有益な栄養素だけでなく残留農薬やカドミウム等の重金属もヌカ部分に多く溜まります。そして放射性セシウムも同様です。
昨年末、農林水産省から「平成23年産米に由来する米ぬか等の取扱いについて」が発表されました。
要点は、
- 米ヌカの加工係数は「8」。(例えば、10Bq/kgの放射性セシウムが検出された玄米なら、そのヌカの放射性セシウム濃度は80Bq/kgと推計する。)
- 米ヌカの販売においては産地情報を伝達する。
- 放射性物質調査の対象となった17都県産以外の玄米の場合はその旨を、
- 17都県のうち放射性物質が定量されていない地域のものは産年(22年、23年)ごとの使用割合を、
- 放射性物質が定量された地区の玄米は使用割合とその地区の放射性物質調査の結果を伝える。
- 暫定規制値を超えないようにする。
- 飼料、肥料等の製造業者はこれらの情報を基に、製品が許容値を超えないようにする。
先日、同業者と集まる機会がありました。そのときにちょっと話題になったのが、コイン精米機でのヌカです。
コイン精米所には不特定の利用者により30kgとか60kgの小ロットで多様な玄米が持ち込まれるのですが、そこでどんな玄米が持ち込まれているのかは把握されていません。さきに書きましたように米ヌカの引取価格は安く、加えて回収するごとに内容が異なる。とてもじゃありませんが回収毎に検査機関に測定してもらうのは非現実的な話でしょう。
ならば、コイン精米機のヌカはただの廃棄物として処分されるのか?
農林水産省は通知で、つぎのように指導しています。
2.米ぬか等を用いた食品、肥飼料等の安全の確保(1)(イ)ここでは、昨年行われた玄米の放射性物質調査で40Bq/kg以上の値が出なかった市町村に設置されているコイン精米機には触れられていません。
コイン精米機の管理事業者は、玄米の放射性物質調査の結果、40 Bq/kg 以上の値が見られた市町村に設置されたコイン精米機で発生した米ぬかについて、当該地域の玄米から発生した米ぬかの放射性セシウム濃度の推計値を参考に、食品や単体での肥飼料等への利用は控えるようコイン精米機の利用者や米ぬかの利用者に注意喚起を行う。
昨年の玄米の調査のとき40Bq/kg以上が見られた地域は、福島県を除くと茨城県鉾田市、北茨城市、栃木県日光市、群馬県安中市、渋川市、千葉県市川市くらいですね。
では、それ以外のヌカは原発事故以前と同様にフリーパスということなんでしょうか。
当該地域の玄米から発生した米ぬかの放射性セシウム濃度の推計値を参考にという部分から思うに、他の地域においてもコイン精米機の米ヌカのセシウム濃度は、それが設置された地域の検査結果から推計して扱うということでしょうか。
しかしこれは、コイン精米機で精米される米は、その地元の米ばかりだという想定を前提としているわけですよね。
原発事故の影響もあり首都圏でコイン精米機の利用が増えていることが、業界紙で報じられています(商経アドバイス2月27日号)。今、国内のコイン精米機から発生するヌカは、かなりの量にのぼることでしょう。
東京都や神奈川県などにあるコイン精米機には、それら都県のコメ生産量と消費量のバランスから考えても、持ち込まれる玄米の大部分は他県産だと思われます。
もちろん、完璧な制度というものが存在するとは思いませんが、どこか納得いかない、釈然としない。この辺の詰めの甘さが、残念に思えます。あるいは、いろんな方面への影響を考えた結果、中途半端になったのか。
いくら一部では情報伝達をきちんとしても、こういう大きなところに穴があると思うと、なにか虚しさを感じます。
コメ行政に関しては、ありがちな虚しさなんですが。
2012/02/18
【書籍】「ドキュメント 隠された公害―イタイイタイ病を追って」 (ちくま文庫)鎌田 慧
本来なら今頃、コメのカドミウム濃度にもっと消費者やメディアの注意・関心が向けられていたハズです。食品衛生法に基づく米のカドミウム基準値が従前の「1.0ppm未満」から「0.4ppm以下」へ改正され、今から1年前の平成23年2月に施行されているからです。
この改正に先立ち、生産地サイドではカドミウムを吸収しにくい栽培方法が指導され、単位農協が自主検査の体制を整えたり、サンプリング地点を大幅に増やし可能な限り事前ブロックできるようにするなどの準備がすすめられていたようです。が、改正法施行直後に震災が発生、福島第一原発由来の放射性物質による汚染が大問題で、消費者やメディアはカドミウムを気にするどころではなくなりました。
私が、この
ドキュメント 隠された公害―イタイイタイ病を追って (ちくま文庫)
を読んだのは平成23年7月。世間は原発事故による放射性物質による被害と事実の隠蔽、情報操作にまつわる不信であふれていた時期です。この本を読みながら、その内容と現実に進行している原発問題との間に強いデ・ジャブをおぼえました。
この本は40年以上前、富山に続き対馬でも発生したイタイイタイ病を、当時朝日新聞社の記者だった著者が取材したものです。対馬のイタイイタイ病の原因は高濃度のカドミウムを含むT社鉱山からの排水ですが、たいした産業もない田舎ではこの鉱山は特別な存在。地元住民の大部分は鉱山と何らかの関係があるし、T社は地元に金を落としてくれる唯一の企業で、T社のおかげで鉱山の近くの集落は島内の他の集落よりも高い生活水準を享受していたりします。そんな状況で著者は取材をすすめるのですが、地元の人間は非協力的で、病気や汚染の存在すら否定されるわけです。
地元に金を落とす施設を失いたくない自治体、生活のため汚染被害を否定したい人たち、金で篭絡された地元有力者、加害企業とズブズブの町長や議員たち、負うべき責任を無いことにしたい企業、カドミウムは怖くないというプロパガンダ、強弁や恫喝、イタイイタイ病をただのリウマチとみずから言い聞かせる人びと、などなど。最近どこかで聞いたような話がでてきます。
地元に金を落とす施設を失いたくない自治体、生活のため汚染被害を否定したい人たち、金で篭絡された地元有力者、加害企業とズブズブの町長や議員たち、負うべき責任を無いことにしたい企業、カドミウムは怖くないというプロパガンダ、強弁や恫喝、イタイイタイ病をただのリウマチとみずから言い聞かせる人びと、などなど。最近どこかで聞いたような話がでてきます。
ただ40年前の著作ということもあり、昔のインテリ左翼的な上から目線というか、ところどころに独善的な態度を感じさせるのが残念です。また労組は正義だという前提で描かれているようなところもあり、そこも少しひっかかりました。しかしそれらを除けば、社会がどのようにして窮屈で風通しが悪いものとなり、人びとがスポイルされていくのかが描かれた非常に興味深い本でした。
読みながら思ったのは、公害隠ぺいの仕組みって変わらないんだなと。公害問題に限らず、ですかね?
読みながら思ったのは、公害隠ぺいの仕組みって変わらないんだなと。公害問題に限らず、ですかね?
ところで唐突な余談ですが、最近の「工場萌え」について。オブジェとしての工場の魅力は、私もわからないではないです。造形に惚れ惚れする気持ちもよくわかります。
でも、かつて酷い公害をまき散らした工場なんかでも、まだそのまま存在して操業してたりするんですよね。例えば本書に登場するT社のA工場など、その特徴的な立地からファンも多いみたいです(もちろん公害は改善はされているでしょうが。)。
で、そんな工場を、過去の歴史と併せて見ることなく、ただスバラシイと賞賛するってどうなんでしょうか。過去を承知の上で鑑賞するならともかく、知らないで楽しんでいる人もいそうで。そういうユルさって、高度成長期の公害問題や今の原発問題と無関係ではないのでは、なんて思っています。
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