2013/10/15

TPP反対派とMA米

たまたまこんなツイートが目に入りました。

私は決して積極的なTPP推進派ではないのですが、このツイートには気になる部分がありました。

まず、ミニマムアクセス(MA)米についての解釈が私のそれとはだいぶ異なっていることでしょうか。
ちなみに、ウィキペディア

MAはあくまで枠を満たすまで関税をかけないことを課すもので、輸入・買付を義務付けたものではありません。
にもかかわらず、国が主体となって率先して輸入するのは、むしろ国内農家の保護のためと私は捉えています。

つまり、ほっといたら民間が好き勝手に国内産と競合する主食向けにも使えるコメをどんどん引っ張って来るだろうから、国が先手を打ってわざと主食用としては品位の劣る魅力の乏しいコメでもって枠を埋めてしまっているという感じで、MAの取り決めにより要らないコメを無理やり買わされているというのではないでしょう。

ただ、枠の全部を国が独占するとやりすぎというか、実需者・消費者を無視しすぎということか、MA枠の一部の10万トンに限り、民間業者が好きなものを輸入できるSBS枠が設けられています。
SBS入札はトレサ法施行直後や国際価格の高騰時を除き盛況で、このことが示すように決して外国産米の需要がないわけではありません。
もし上記ツイートにあるように外国産米の需要がないというのであれば、TPP反対派の方々が主張するような「TPPで外国産米が入ってきたら日本の稲作は終わってしまう」という状況は起こらないはずですし。
しかし、実際はコメ以外の食材を見てもコスパから外国産のものが多く選択されています。加工食品ならなおのことでしょう。先日も、イオングループで販売されたおにぎり等の原料米の原産国偽装事件がありましたが、MA枠がすべて民間に解放されるなら恐らく安価なPBなどは外国産米が当たり前にすらなるでしょう。

いずれにしろ、MA米の枠いっぱいまで国が輸入していることで最も恩恵を受けているのは、日本の稲作農家ではなかろうか、ということです。

ところで、日本共産党なんかは「義務的輸入の中止」を主張しています。「本来、輸入は義務ではなく、“輸入したい人にはその機会を提供せよ”というものにすぎません」というのはその通りなんですが、しかし国による枠の独占を中止し民間へ開放する方が稲作農家には厳しい状況となりませんかね?

まあ、それ以前にMAなんてのが無ければ済んだ話なんですが。

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